住所要件と簡易帰化(第6条)ヒアリングが大事

帰化申請を希望する場合、いくつかの条件があって、自分の場合にあてはまるか?を確認することがとても大事です。

 

条文に表現されていない部分があるからです。あ、ここ分からないな、と思っていると、必ず(?)そのような要件の方から相談が来ます。(不思議ですが本当です。)

 

今回、住所要件VS簡易帰化について、あらためて確認する機会がありました。

 

いま、日本で家族と生活している。3年前に日本に本格的にもどってきた。それまでは本国で学業を受けていた。日本で就職を考えているし、帰化をしたい。という場合ですが、

ずっと日本に住民票がある=帰化できるか?を考えます。

 

第五条1項:引き続き五年以上日本に住所を有すること。

⇒条文には5年住所があれば‥とのことですが、これは単に住民票を置いてあれば言い、ということではありません。

 

 

⇒また、在留資格によっては(短期滞在や留学など)5年の在留にカウントされないものもあります。また、5年以上、住民票があるよ!ということでも、実際、(仕事や出産などどのような理由でも)出入国を繰り返し、ほとんど海外に滞在していたなどは、引き続き5年以上滞在しているとはみなされません。

ここはきちんと出入国歴を聞き取らなければなりません。

 

そして、日本とつながりが深い方の場合、いくつかの帰化の要件が緩和される「簡易帰化」が、第六条以降(6~8条)定められています。

 

たとえば、

第六条 次の各号の一に該当する外国人で現に日本に住所を有するものについては、法務大臣は、その者が前条第一項第一号に掲げる条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。

 

一 日本国民であつた者の子(養子を除く。)で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有するもの

二 日本で生まれた者で引き続き三年以上日本に住所若しくは居所を有し、又はその父若し

くは母(養父母を除く。)が日本で生まれたもの

三 引き続き十年以上日本に居所を有する者

 

これを見ると、日本人とつながりがあるパターンには以下があり、

・昔日本人であった方のお子さん +(3年以上の住所要件)

・日本で生まれた方 +(3年以上の住所要件)

・日本で生まれた方 + 父母も日本生まれ(現在住所があれば良い)

これらの方は、5年の住所要件が緩和されます。

 

実際、90日以上海外に出ていたり、1回の出国日数は短いけれどトータル、1年のうち100日、150日などと出入りする場合などがあると、申請ができませんので、出国期間は気をつけなければと思います。

 

相談者の方がどこで生まれたか、父母もどこで生まれたか、その後の住所歴などを最初に詳しく聞いておくことが大事だと思います。

最近、帰化申請は本当に複雑な方の相談が増えていて・・申請できるかまで確認・検討するところで、トータルの業務の半分くらい時間を要すると思います。