なぜ、帰化をしたいのでしょうか? 国籍を変えるって、大変な決断です。

長期在留の外国人(永住者等)は権利義務などはほぼ日本人と同様で、日本で生活するだけであれば帰化申請による国籍取得にまでは至らないと思います。

母国の国籍をすてて日本国籍=日本人となりたいのはなぜか。 やはり、「日本での生活」により、大事な人ができたり、魅力的な仕事の可能性に遭遇したり、将来にわたって、守っていきたいものができたときに、日本の国籍にしたい、と思うのかもしれません。 

その動機について、当かえで事務所の取り扱い事例をもとに例を簡単にご紹介します。みなさん、本当にいろいろな動機で、それぞれ歩んできた道もさまざま。 

帰化申請は約1年がかりのお付き合いになります。 

申請にあたっては、多少、困難なことにも誰しも遭遇しますが、その過程も、一緒に考え、努力して申請に行きついた方たちばかりです。  

当事務所は、小さな事務所ですので、大量に案件をお受けすることはできませんが、一つ一つを丁寧に、スムーズに行くように対応しています。依頼者の皆様には、国籍取得後も、お付き合いいただけるご縁に、感謝しています。


韓国籍:Eさん

日本で生まれ、日本で育ち、韓国には行ったこともないし、なぜ自分が日本人ではないのか、と。結婚や離婚を経て、転職などもあったのでなかなか着手できずにいたそうですが、兄弟姉妹全員が帰化をされ、いよいよご自身も決断されたそうです。

ご両親と疎遠だあったりもありましたが、出生の時の証明書などをみて、いろいろ自分の人生を思い直したとの言葉が印象的でした。


韓国籍:Cさん

日常生活では国籍のことは問題とならずに、いままで帰化しなくても不自由はないとのことでしたが、2012/7/9の入管法改正・外国人登録法廃止をきっかけに、本名だけ記載された特別永住者証明書を使用すること等から、帰化のことを考えたそうです。

また、なにかあったときに、自分は日本のためになら・・と思うけど・・・という思いもあったそうです。申請から許可まで一連の流れをご経験されて、日本で生まれて日本で育ってきたのに、こんなに大変なんて…とのことでした。


インド国籍:Rさん

日本に来て25年。奥さん、お子さんたちは日本国籍。かつて帰化申請を準備したものの、本国の言葉を忘れてしまうくらい日本に慣れ親しみ、将来も日本で家族と過ごすため、日本国籍取得を希望。

また、お仕事柄、国籍によって従事できない現場があるとのこと。居住年数があり、会話は問題ないが、読み・書きで、「日本語テスト」を実施されましたが、ドリルに何回も挑戦、見事クリア!当事務所にとっても、忘れられない申請です。また、本国の出生証明書、父母の婚姻証明書でちょっと一苦労ありましたが、代替案でクリアできました。


カナダ国籍:Aさん。

日本在住40年。会社経営。生活には不便なことはないが、日本人の奥様と同じ国籍にしたい、空港などでも同じ列に並びたい、選挙にも参加したい、というご希望もあり、帰化を決意されました。東日本大震災のことも、「自分の属する国は」・・ということをお考えになるきっかけとなったようです。 


マレーシア国籍:Bさん

日本人の夫とマレーシアで知り合い、現地で数年間結婚生活。子どもの教育のことを考え、日本に戻ることになり、家族そろって日本国籍にするため帰化を決意。名前も日本の名前にしたいという希望もあり。本国のお名前だと、発音しづらく、ママ友にも説明しづらい、という要望もありました。 


ミャンマー国籍:Mさん。

日本の大学院卒業のエンジニア。将来ミャンマーで生活する予定はなく、ビジネスでも海外をとびまわりたいと帰化を決意(ミャンマーのパスポートでは渡航するときにほとんど渡航国のVISAが必要)。また、いずれ自分の経験を活かし、日本で会社をおこして、ミャンマーと日本のビジネスをはじめたい、自分のマンションも購入したいという夢も。また、本国が外国居住者に税金を課す制度も決意の一要因でした。 


アメリカ国籍 Cさん

1985年以前、日本人の母とアメリカ人父との間に日本で出生。当時は母の国籍をもたなかったため、アメリカ国籍として、ずっと日本で生活。日本で就職し、日本人の女性と結婚。お子さんが生まれるタイミングで、帰化を決意。やはり空港で別に並ばねばならないことや将来の住宅購入、将来の相続、本国での税務手続も考慮。


ブラジル国籍:Tさん

日系ブラジル3世。(祖父が日本人で移民されたそうです)ブラジル国籍の両親が1990年頃来日し、Tさんは日本で生まれる。ブラジルには一度もいったことがなく、自分は日本人と思って育ってきたものの、高校卒業後の就職などでは国籍の壁を感じるように。現在は派遣社員として働きながら、今後の正社員としての就職や結婚のことを考えて、帰化の申請を決意。

故郷(日本国内)にいる父母からの仕送り、就職して数か月であったものの給与明細書を数か月提出し、許可となりました。


韓国籍:Nさん

日本で生まれた両親(韓国籍)。兄弟みな日本で生まれ、通称名を定め、いままで生活をしてきたものの、20歳を過ぎて、就職や日本人との結婚のタイミングで兄弟みんな帰化申請を決意。

「特別永住者からの帰化申請」は、動機書の提出が省略されるので、文章としての動機書の作成はしていませんが、今後も日本で生活していくうえで、整理しておきたいとのこと。


中国籍:Iさん

日本人と結婚し、日本人の配偶者としてのビザも3年を取得。婚姻生活も安定し、永住か帰化を検討。「日本人と結婚したのだから、国籍も夫と同じにして、生涯を共にする」という決意を。また、ヘルパーの資格をもっていて、介護施設への転職をしたいという希望があり、(帰化をしなくてもそれは勿論可能ですが)仕事の選択肢を広げたいという希望も。いまは転職されてキャリアアップされています。